こんにちは、レンタルスペースおじさんです。
今日は、「戦略次第で戦える」っていう考え方は、実はすごく危険なんだよ、というお話をしたいと思います。
レンタルスペースの運営を検討している方から、たまにこんな相談をいただくことがあります。
「立地は少し悪いけれど、競合もいないこの物件で、戦略次第では戦えるんじゃないかと思っているんです」
一見、前向きな挑戦のように聞こえますが、実はこれ、かなり危ない考え方なんです。
今回は、なぜ「戦略次第」という言葉に頼ってはいけないのか、そして後悔しないための物件選びの鉄則について、これまでの私の経験や失敗談も交えながら、かなり深掘りしてお話ししていきます。
これからレンタルスペースを始めたいと思っている方、あるいは2店舗目、3店舗目を検討している方は、ぜひ最後までじっくり読んでみてくださいね。
「戦略次第で戦える」は、ただの「茨の道」である理由
まず最初に、結論からズバッと言わせていただきます。
「戦略次第で戦える」という状態は、要するに「茨の道」を自分から選んで突き進むということです。
確かに、世の中には戦略がバッチリ当たって、悪い条件を跳ね返して勝てるケースもゼロではありません。
でも考えてみてください。
その戦略がもし少しでも外れたらどうなりますか?
その瞬間に、負けが確定してしまうようなゲームをしているのと同じなんです。
「工夫次第でなんとかなる」
そう思うかもしれませんが、その工夫が実際に市場で当たるかどうかは、やってみるまで誰にも分かりません。
わざわざ自分から、そんな難易度の高い「縛りプレイ」のようなゲームに参加する必要があるでしょうか?
戦略依存のビジネスは脆い
ビジネスの基本は「勝てる場所で戦うこと」です。
元々の物件ポテンシャルが低いところを、自分の「腕」や「センス」だけで補おうとするのは、非常にプロフェッショナルな思考に見えて、実は非常にギャンブルに近い考え方なんです。
特に副業や個人で始める場合、私たちに与えられたリソース(時間・お金・精神力)は限られています。
わざわざ過酷な環境に身を置いて、自分のセンスや工夫が試されるようなギリギリの勝負をする必要はないんです。
もっと楽に、確実に勝てる場所は他にいくらでもあります。
物件ありきで考えてはいけない:正しい企画の作り方
多くの人が陥りがちな罠が、「物件ありき」で考えてしまうことです。
なんとなく不動産サイトを見ていて、家賃が安かったり、内装が綺麗だったりする物件を見つけると、「ここをどう活かそうか?」とパズルのように考えてしまう。
これは、ビジネスの順番としては逆なんです。
本来あるべき姿は、以下のステップです。
- 市場調査を行い、需要のあるジャンルを見つける
- そのターゲットが好むエリアを特定する
- そのターゲットに最適なスペックの物件を探す
もし探してみて、自分のやりたいコンセプトに合う物件が出なかったのであれば、その時は「契約しない」という選択をするのが正解です。
実は、この「契約しない」「あきらめる」という判断が、レンタルスペース運営において一番怖くて、でも一番大切で価値のある判断だったりします。
私自身の過去の失敗談
実を言うと、私も最初から完璧にできていたわけではありません。
以前、ある物件で「駅から少し遠いけれど、内装をめちゃくちゃこだわれば、わざわざ来てくれるファンがつくはずだ!」と意気込んで出店したことがあります。
結果はどうだったか。
確かに、一部の熱狂的なリピーター様はついてくれましたが、新規の集客が本当に苦労しました。
常に広告費をかけ続け、SNSで発信し続けなければ、すぐに予約が止まってしまう。
まさに、戦略という名の「必死の努力」でなんとかなる赤字を免れているような状態でした。
結局、そのスペースは利益を出すのに時間がかかりすぎ、精神的にも疲弊してしまいました。
もしあの時、同じ努力を「駅近の王道物件」でしていたら、おそらく3倍以上の利益が出ていたはずです。
この時の教訓が、「戦略で物件の弱点をカバーしようとするな」ということです。
迷うということは、自分でも「無理かも」と思っている証拠
「戦略次第でいけるでしょうか?」と誰かにアドバイスを求めたくなる時の心理状態を考えてみましょう。
正直なところ、心の中では「自分でもちょっと無理があるかな」「リスクが高いな」と薄々感じていることが多いはずです。
どうしても形にしたい、だから自分の不安な気持ちを打ち消してくれるような、自分の考えを正当化してくれるような言葉を誰かにかけてほしい、という承認欲求に近い行動になってしまっているんです。
以前の記事でも詳しく書きましたが、物件選びで妥協したら、マジで死にます。
大げさではなく、これまでの準備、初期投資、および費やしてきた時間すべてが、一瞬で負債に変わってしまう可能性があるんです。
妥協した結果、待っているのは「赤字の垂れ流し」という地獄
もし妥協して失敗してしまったら、具体的にどのような状況になるでしょうか。
少し生々しい数字の話をしましょう。
例えば、初期投資に100万円かけたとします。
でも、妥協した立地やスペックのせいで毎月3万円、5万円の赤字が出続ける。
そうなると、初期投資の回収どころか、毎月毎月自分のお金と時間、そして労力をドブに捨て、さらに追加でお金を払いに行くような状態になってしまいます。
精神的な摩耗が一番怖い
「いつかリピーターがついて挽回できるはず」と必死に集客を頑張れば頑張るほど、結果が出ない時の精神的なダメージは大きくなります。
赤字を穴埋めするために、また別の仕事で稼いだお金を補填する。
これは非常に精神的にキツいですし、本来自由になるために始めた副業が、自分を苦しめる鎖になってしまいます。
そうならないためにも、事前の市場調査を徹底し、「どこであれば勝てるか」を冷徹なまでに客観的に判断しなければなりません。
なぜ「王道」から外れようとするのか?
「物件が見つからないから、多少条件が悪くても仕方ない」という声もよく聞きます。
確かに、防音設備が必要なダンススタジオや、大音量が出る楽器演奏可能な物件などは、見つけ出すのが非常に困難です。
でも、それ以外のパーティールーム、撮影スタジオ、会議室といったメジャーなジャンルのレンタルスペースであれば、根気よく探せば、勝てる可能性の高い物件は必ず市場に出てきます。
成功者は「勝てる場所」にしかいない
今、安定して利益を出して多店舗展開しているような運営者たちは、みんなこういう「勝てる物件」を、妥協せずにしっかり見つけ出しています。
わざわざ、誰もが見向きもしないような悪い条件の物件に、「自分だけは救える」とヒロイズムを持って飛び込んでいく必要はないんです。
答えはすでに、インスタベースやスペースマーケットの検索結果、および予約カレンダーの中にすべて示されています。
人が集まりやすい主要な駅。
みんながいっぱい出店していて、それでも予約が埋まっている場所。
そういう「王道」があるのに、わざわざそこから外れて、暗闇の中でリスクを取る必要はどこにもないんです。
再現性のない「一発屋」の成功例に惑わされるな
「駅から徒歩15分だけど、超おしゃれな内装でインスタ映えして大人気のお店を知っている」
「住宅街のど真ん中だけど、予約がいつも埋まっているスペースがある」
そうした「特異な成功例」を聞くことがあるかもしれません。
確かに、世の中には悪条件を圧倒的なセンスやコンテンツ力で跳ね返しているお店は存在します。
でも、それは様々な不確定要素が重なった結果である可能性が高いんです。
ビジネスは「再現性」がすべて
その物件だから、あるいは、そのオーナーさんだから、そのタイミングだったからできたというだけの話で、そこに「再現性」はありません。
レンタルスペース運営を事業として、あるいは安定した副収入として継続させていくためには、誰がやっても同じように利益が出る「再現性」が不可欠です。
「このエリアで、このジャンルを、この価格で、この広告運用をすれば、これくらいの利益が出る」
そういう明確な根拠と再現性が担保できる場所で、堅実に勝負すべきです。
ギャンブルではなく、ビジネスをしましょう。
不動産には「一物一価」という言葉があります。全く同じ物件は一つとしてありません。
だからそこは、ちゃんと勘違いしない方がいいのかなって思います。
成功事例の「本質」が立地にあるのかを見極めず、表面上の「立地が悪くてもなんとかなる」という部分だけを都合よく信じてはいけないんです。
「戦略次第」という魔法の言葉の罠
よく使われる「戦略次第」という言葉は、非常に耳障りが良いですが、中身が伴っていないことが多いです。
「具体的にどんな戦略で、どの程度の集客増が見込めるのか?」「その戦略を実行するためのコストと時間はどれくらいか?」
これらを数値化できないのであれば、それは戦略ではなく、ただの「希望的観測」です。
本来、戦略とは「戦いを略す」と書きます。
つまり、無駄な戦いをせずに済むようにあらかじめ準備することです。
悪い物件を選んで、必死に汗をかいて集客するのは、戦略ではなくただの「根性論」です。
良い物件(戦いやすい場所)を選べば、それだけで集客の苦労は半分以下になります。
それこそが、本当に賢い戦略だと言えるのではないでしょうか。
良い物件を見極めるための「三つの質問」
- 「もし自分が戦略を全く考えなかったとしても、この立地なら誰かが予約してくれるだろうか?」
- 「競合が明日、隣のビルに『王道スペック』で出店してきたとしても、自分のスペースは選ばれ続けるだろうか?」
- 「この物件を選んだ理由は、『勝てるから』ではなく『借りやすいから(または初期費用が安いから)』ではないか?」
これらの質問に対して、心から迷いなくYESと言える物件だけを契約してください。
少しでも言葉に詰まるなら、その物件は見送るのが賢明です。
まとめ:勇気を持って「契約しない」という決断を
今日の話をまとめると、「わざわざそんなリスクのあることをやる必要は全くない」ということです。
レンタルスペース運営は、正しい場所で、正しいジャンルを選えば、驚くほど手堅く、安定して収益を生んでくれる素晴らしい事業になります。
それなのに、入り口である物件選びの段階で妥協し、不確定な「自分の手腕」に頼ってしまうのは、非常にもったいないことです。
「戦略次第でいける」と思いたい気持ち、および早く形にしたいという焦り。
その気持ちは痛いほど分かりますが、そこはグッとこらえて、確実に勝てる物件が出るのを虎視眈々と待つ。
あるいは、自分が勝てる土俵を柔軟に変えてみる。
その決断ができるかどうかが、1年後、3年後も笑顔で運営を続けられているかどうかの分かれ道になります。
妥協は、後からじわじわと自分を苦しめる毒になります。
皆さんも、物件探しの際は「本当にここがベストか?」「再現性はあるか?」「自分に嘘をついていないか?」を、何度も何度も自分に問いかけてみてくださいね。
自信を持って「ここなら大丈夫だ」と言える物件に出会えるまで、妥協せずに向き合い続けていきましょう。
ではまた!