
最初に問い合わせた物件が、そのまま1号店になりました。
ぼくのレンタルスペースの中の、ダンススタジオ「1号店」です。
きっかけは、ほぼノリでした。
酔った勢いもあって、不動産サイトで適当に問い合わせた物件です。
それから5年。
この店は、開業してから一度も、赤字の月がありません。
直近1年の月の利益は、平均14.8万円です。
店名と場所はふせますが、それ以外は全部出します。
家賃、初期費用、売上、利益、リピート率、うまくいった理由の仮説まで。
どんな店か
- オープン: 2021年3月(いま6年目)
- 場所: 住宅街の駅。駅から徒歩5分
- 広さ: 40㎡
- 営業: 24時間
- 料金: 1時間1,000〜2,000円くらい(早朝・深夜は安くしています)
ぼくの1店目です。
同じ建物の上の階に、あとから2号店も出しました。
家賃と、契約でかかったお金
家賃は、月9.9万円です。
ダンスのレンタルスタジオ11店舗の家賃の平均は、11.2万円。
1号店は、平均より少し安い家賃です。
初期費用は約90万円
初期費用は、約90万円でした。
内装の業者さんは、呼んでいません。
床のクッションフロアは、YouTubeを見ながら自分で貼りました。
鏡は、幅90cmのパネルミラーを5枚買って、壁にビスで留めました。材料費は20万円以内です。
看板も、自分でデザインして、コンビニで印刷しました。
内装でお金がかかったのは、鏡と、音楽プレーヤーなどの備品くらいです。
設備と、この店の特徴
いまの設備は、こんな感じです。
- 壁一面の鏡
- 音楽プレーヤー(Bluetoothでつなげる)
- 照明
- 着替えのスペース
- Wi-Fi
- ダンベルなどのトレーニング器具(あとから足しました)
使われ方は、ダンスが約7割。
残りは、トレーニング、格闘技、ヨガ・ピラティス、音楽、演劇のけいこなどです。
集客は、定期利用が土台
毎週同じ曜日・同じ時間に使ってくれる定期利用が、10本入っています。
時間にすると、1ヶ月に約72時間。
定期利用だけの売上は、月11.0万円です(2026年6月の実績)。
定期利用だけで、家賃9.9万円をまかなえている計算です。
リピート率と、埋まっている時間
公式サイトから予約した人のデータを数えました(2025年4月〜2026年8月)。
- 利用した人: 319人
- 2回以上来た人: 43.9%
- 5回以上来た人: 22.6%
- 利用日のうち、リピーターが占める割合: 88.6%
利用日の9割近くが、リピーターです。
5回以上来た人の割合は、いま運営している5店舗の中でいちばん高い数字です。
次に、埋まっている時間です。
1号店は24時間営業なので、稼働率(%)で見ると低く見えます。
だから、1週間に何時間埋まっているかで見ます。
2026年の4月から8月は、1週間に63〜75時間埋まっていました。
この店が黒字になるのに必要なのは、1週間に28時間くらいです。
必要な時間の2倍以上が、埋まっています。
数字をぜんぶ出します

利益は、売上から家賃・Wi-Fi・水道光熱費・広告費を引いた額です。
清掃費や消耗品、ぼくの人件費と初期費用は入っていません。

いちばんいい月は、2021年9月の22.5万円。
いちばん低い月は、2022年6月の2.0万円です。
63ヶ月、一度も赤字の月はありません。
立ち上がりは、こうでした。
- 2021年3月(オープン月): 4.7万円
- 2021年4月: 8.8万円
- 2021年5月: 19.2万円
- 2021年6月: 10.4万円
- 2021年7月: 18.9万円
- 2021年8月: 21.9万円
- 2021年9月: 22.5万円
開業した月から、プラスでした。
3ヶ月目には、月20万円近くまで行っています。
ただ、2年目は月の平均が8.6万円に下がりました。
理由は、同じ建物に2号店を出したからです(2021年10月)。
同じ建物にダンスのレンタルスタジオが2つあれば、お客さんは分かれます。
つまり、食い合いです。
それでも出したのは、この建物に、ほかの人がダンスで入ってきそうだったから。
「ダンスができる建物」だと知られている以上、自分が埋めなければ、ほかの人が入ってくるかもしれません。
だから、ぼくは1号店だけで見ていません。
2店あわせて利益がのびていれば、OKと考えています。
いまは、2店あわせて月の利益が約27万円(直近12ヶ月の平均。1号店14.8万円+2号店12.0万円)。
1号店だけだった1年目(月13.4万円)の、2倍くらいです。
1号店だけで見ても、そこから少しずつ戻って、いまは月15万円前後です。
初期費用は7ヶ月で回収
初期費用約90万円に対して、利益の累計はこう増えました。
- 2021年8月(6ヶ月目): 83.9万円
- 2021年9月(7ヶ月目): 106.4万円
7ヶ月目で、元が取れました。
いま(2026年5月まで)の損益は、
815.8万円 − 90万円 = プラス725.8万円です。
うまくいった理由の仮説
ぼくが考えている理由は、3つです。
1. 人が住んでいる駅に出した
これは、狙ったわけではありません。
たまたま問い合わせた物件が、住宅街の駅でした。
でも、利用日の9割近くがリピーター、5回以上来た人が2割以上。
近くに住んでいる人が、何度も来てくれています。
2. 家賃が安かった
家賃9.9万円なら、黒字に必要なのは1週間に28時間くらい。
予約が少ない月でも、赤字になりませんでした。
3. 定期利用が10本ある
定期利用の売上だけで、家賃をまかなえています。
毎月、スタートの位置が高いんです。
うまくいっていないこと
1. 2号店と、お客さんを分け合っている
2026年の夏、新しい予約が、5店舗の中で1号店だけ減った週がありました。
同じ建物の2号店に、お客さんが流れたのかもしれません。
2店あわせてのびていればOK、とは言っても、1号店の数字はこまめに見ています。
2. 深夜が、ほとんど埋まらない
24時間営業ですが、夜中の0時から朝6時は、1割くらいしか埋まっていません。
早朝・深夜は値段を下げていますが、ここはまだ空いたままです。
ここから見えたこと
1号店は、運でした。
でも、運がよかった理由を、あとから数字で分けてみると、こうなります。
- 住宅地の駅だった
- 家賃が安かった
- 先生が毎週来てくれた
この3つを、あとから言葉にして、同じことができる形にしました。
それが、いまの「きくりん式」です。
これから始める人へ
もし、これからレンタルスペースでダンススタジオを始めるなら、3つだけ伝えたいです。
1. 最初の1店は、家賃を安く
家賃が安いと、黒字に必要な時間が短くなります。
最初の1店で大負けしないことが、いちばん大事です。
2. 住宅街の、駅近の物件を探す
繁華街の駅より、人が住んでいるふつうの駅。
ここに、何度も来てくれる人がいます。
3. 問い合わせは、ノリでいい
ぼくの1号店は、ノリで問い合わせた物件です。
考えすぎて問い合わせないより、まず聞いてみる。
条件に合うかどうかは、そのあとで確かめれば大丈夫です。
まとめ
家賃9.9万円、初期費用約90万円。
7ヶ月で元を取って、63ヶ月、一度も赤字の月はありません。
いまも、月15万円前後の利益が出ています。
あなたが気になっている物件、まだ問い合わせていないなら、今日1件だけ聞いてみませんか?
1号店の「運」を、駅の選び方と物件の判定の型にして、1冊にまとめました。
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