お客さん対応、AIに任せる

ebay店の店長、チャムです🐹

eBayのお客さん対応は、5つの設定でAIに任せられます。

ぼくは9月9日からの13日間、届いた217通のメッセージに、1通も自分で返していません。
返信案も読んでいません。
それでも注文は、1日0.9件から1.8件に増えました。

注文が増えたのが、自動化のおかげとは言いません。
同じ期間に、出品の書き直しも広告も変えています。
でも、悪いことは何も起きませんでした。
もらった評価10件も、全部ポジティブです。

10月5日までに、AIが自動で送った返信は206通になりました。

そして、いちばん大事なこと。
いまの設定は、eBay Japanに問い合わせて、書面で回答をもらった範囲で動かしています。
AIにどこまで任せていいのか、自分で決めつけずに、eBayに聞きました。

この記事では、その設定をぜんぶ書きます。
各ステップに、AIへそのまま渡せるプロンプトを付けました🐹

▼結果をまとめた前の記事


先に: eBayに確認して、守っているルール3つ

eBay Japanの窓口に、AIの使い方を問い合わせました。
書面でもらった回答をもとに、うちはこの3つを守っています。

①eBayには、公式のAPIでつなぐ。
APIは、eBayとデータをやり取りするための公式の窓口です。

②買い手の個人情報は、AIに渡さない。
名前・住所・メール・電話・注文番号。
本文に書かれた自己紹介や署名も、人を特定できるなら同じです。

③AIでブラウザからeBayの画面を開かない。
AIにブラウザを動かさせて、eBayの画面を読ませる方法は使いません。

ひとつ、お願いがあります。
eBayの規約で、AIの使い方が制限される可能性があります。
AIを使うかどうか、どこまで任せるかは、eBayの規約を確認したうえで、自己責任で決めてください。
うちは、eBayに確認した範囲でやっています。

この3つを、5つのステップに組み込みます。


設定は5ステップ

①メッセージを受け取る
②AIを使わずに仕分ける
③買い手の情報を伏せる
④AIに返信案を作らせる
⑤送る前の最終チェックと、自動送信のスイッチ

プログラムは、自分で書かなくて大丈夫です。
Claude CodeやCodexに、各ステップのプロンプトを渡して作ってもらいます。
この記事の本文ごと貼り付けて、「この順で作って」と頼んでもいいです。

APIの接続(開発者登録・キー・自分の店との連携)がまだの人は、先にこちらを。

▼eBay APIの接続手順


① メッセージを受け取る

最初は、受け取るだけです。
返信はまだ送りません。

ここで大事なのは、作業をしてくれるAIにも、メッセージの中身を見せないこと。
取得はプログラムにやらせて、AIには件数だけ報告してもらいます。
eBayへのアクセスは、公式のAPIだけです。

eBayのメッセージ対応を自動化する準備を手伝ってください。
最初の目標は、公式APIで自分の店に届いたメッセージを取得して、ファイルに保存することです。

・eBayへのアクセスは公式APIだけにしてください。ブラウザを自動で動かす方法は使わないでください。まだ返信は送らず、取得だけにしてください
・受信はTrading APIのGetMyMessages、返信はAddMemberMessageRTQ、注文と発送の状況はFulfillment APIを使う想定です。最新の公式ドキュメントと違う場合は、公式に合わせてください
・メッセージを保存するので、eBayのアカウント削除通知(Marketplace Account Deletion)への対応も手伝ってください
・接続用のキーやトークンは、チャットに貼らずに設定できるようにしてください
・取得できたら、件数と「買い手から/eBayからの通知」の内訳だけ見せてください。本文や差出人は、あなた(AI)も読まないでください

件数が出たら、①は終わりです。


② AIを使わずに仕分ける

届くメッセージを、全部AIに渡す必要はありません。
むしろ、ルールで決められるものは、AIを通さないほうが安全です。

うちは、この5つに分けています。

  1. トラブル(返品・返金・破損・未着・ケース)→ 店長のぼくに回す
  2. 値下げ交渉 → 店の最低ラインと比べて判定
  3. 発送・追跡の問い合わせ → 注文データで答える
  4. お礼だけの短い文 → 決まった文面で返す
  5. それ以外の質問 → ④のAIへ

ぼくに回ってくるのは、お金が動く判断だけです。
それ以外は、AIとプログラムで最後まで終わります。

eBayからの通知は、件名で分けます。
知らない件名は、必ず店長に回します。
見落とすよりは、回ってくるほうがいいからです。

値下げの数字は、店ごとに違います。
うちの数字を書いておくので、最初はまねして、あとで自分の店の数字に変えてください。

受信したメッセージを、AIを使わずにプログラムのルールで先に仕分ける処理を作ってください。

仕分けは次の5つです。
1. トラブル(返品・返金・破損・未着・ケース・キャンセル依頼)→ 店長に回す。自動では返信しない
2. 値下げ交渉 → 店の最低ラインと比べて判定する
3. 発送・追跡の問い合わせ → Fulfillment APIの注文データで答える。送ってきた人と注文の買い手が一致しないときは、店長に回す
4. お礼だけの短い文 → 決まった文面で返す
5. それ以外の質問 → 次の手順のAIへ渡す

eBayからの通知は件名で分けて、知らない件名は必ず店長に回してください。

値下げの数字は、設定ファイルに出してください。
・最低ライン: 利益率【あなたの店の値(うちは5%)】かつ利益【あなたの店の値(うちは1,500円)】
・最初の値下げの提示: 定価の【あなたの店の値(うちは3%)】引き
・原価が分からない商品は、判定せずに店長に回す

まだ送信はしないでください。保存した過去のメッセージで試して、仕分けごとの件数だけ見せてください。


③ 買い手の情報を伏せる

ここが、この記事でいちばん大事なところです。
eBayに確認した②「買い手の個人情報は、AIに渡さない」を、ここで守ります。

AIに渡す直前に、名前や住所を記号に変えます。
「Mike」は[NAME_1]に。
メールアドレスは[EMAIL_1]に。
これを、マスクと言います。

AIが見るのは、記号だけです。
記号と元の値の対応表は、プログラムの中だけで持ちます。

返信の宛名は「Hi,」にして、名前は戻しません。
名前がなくても、返信は困りません。

マスク処理の前後。架空のメッセージの名前・番号・住所が記号に変わる

出典: うちのマスク処理のプログラムに、架空のメッセージを通した結果(名前・番号・住所はすべて架空)

AIに渡す直前に、買い手の個人情報を伏せる処理(マスク)を作ってください。AIには、伏せたあとの文だけを渡します。

1. APIの返事から、買い手ID・名前・住所・メール・電話・注文番号・追跡番号の項目を取り除く
2. 本文の中のメールアドレス・電話番号・住所らしい行・注文番号・追跡番号・URL・買い手IDを、[EMAIL_1] [PHONE_1] [ADDRESS_1] [ORDER_1] [TRACKING_1] [URL_1] [BUYER_1] のような記号に変える
3. 末尾の署名と、「I'm ◯◯ from ◯◯」のような自己紹介の行を落とす
4. 自分の店の商品情報(ブランド名・型番)に出てこない、人名らしい語は [NAME_1] に変える
5. 記号に変えたあとも個人情報らしいものが残っていたら、AIを呼ばずに店長に回す
6. 記号と元の値の対応表はプログラムの中だけで持ち、AIには渡さない。返信の宛名に名前は戻さない
7. AIに渡した文(伏せたあとの全文)は、日時つきで記録に残す

テストは、架空の名前・住所・番号で20例作って、伏せもれがないことを確かめてください。実際の買い手のメッセージは、テストに使わないでください。

伏せきれなかったものは、AIを呼ばずに止まります。
うちの店も、10月3日からこの形で動いています。
10月6日の朝までに、伏せきれずに止まったのは0回でした。

自動で送った返信206通と、伏せてからAIに渡した記録の件数

出典: うちの自動送信の記録と、AIに渡した文の記録を数えた結果(2026年10月6日朝の時点・件数だけ)


④ AIに返信案を作らせる

ここで、やっとAIの出番です。

AIには、毎回このプロンプトを渡します。
プログラムに組み込んでもらえば、メッセージが届くたびに自動で使われます。
AIに渡るのは、③で伏せたあとの文だけです。

ポイントは3つです。

分からないことを、分かったふりで書かせない。
「確認してあとで連絡します」も書かせません。
まだしていない確認を、約束してしまうからです。

判定を3つに分ける。
送ってよい(ready)、店長に聞く(owner_check)、返信いらない(no_reply)。

店長に聞くときも、返信案は作らせる。
確認がとれたら、そのまま送れます。

あなたはeBayストア【あなたの店名】の返信担当です。
買い手へ返信する前に、次の順で事実を確かめてください。
1) 渡された自分の店の商品情報(タイトル・説明文・Item specifics)
2) 出品写真
3) 必要ならメーカー公式の資料

まず、新しい本文の意図(商品・在庫の質問/値下げ/お礼・到着の報告/発送の問い合わせ/その他)をつかみ、その意図に答える返信だけを作ってください。聞かれていないことは書かないでください。

判定は次の3つです。
・ready: 確かめた事実だけで答えが完結する。この返信は、そのまま自動で送られます
・owner_check: 推測が必要/根拠が食い違う/返品・返金・値引き幅の判断/前に金額や約束を出した会話。店長に確認する1点を日本語で書く
・no_reply: お礼や締めのあいさつだけで、会話が終わっている

禁止:
・「確認してあとで連絡します」「I'll check and get back to you」など、まだしていない確認の約束
・「おそらく」「probably」「should fit」などの推測。推測が要るならowner_checkにする
・仕入れ値・利益・店の内部の事情を書くこと。最低ラインより下の金額を出すこと

文中の [NAME_1] [BUYER_1] [EMAIL_1] [PHONE_1] [ADDRESS_1] [ORDER_1] などは、個人情報を伏せた記号です。中身を推測しないでください。返信文にもこれらの記号を書かず、宛名は「Hi,」のような一般のあいさつにしてください。

JSONだけを出力してください。
{"status":"ready|owner_check|no_reply","basis_ja":"確かめた根拠と判断の理由","reply_ja":"返信の日本語","reply_en":"送る英語(末尾に店名)","owner_question_ja":"店長に確認すること(ready/no_replyなら空)"}

owner_checkのときも、いちばん可能性の高い前提で返信案を作ってください。確認がとれたら、そのまま送れるようにするためです。


⑤ 送る前の最終チェックと、自動送信のスイッチ

AIが「ready」と言っても、すぐには送りません。
送る直前に、プログラムでもう一度確かめます。
これが、送る前の最終チェックです。

うちでも、AIが確かめていない出品の設定を「有効です」と書いて、そのまま送ってしまったことがありました。
値下げ交渉の機能(Best Offer)の設定でした。
それから、推測や断言を止める項目を足しています。

止まった返信は、店長に回るだけです。
送られて困る返信が出ていくより、ずっといい。

返信を送る直前の最終チェックと、自動送信のスイッチを作ってください。

最終チェック: 次のどれかに当てはまる返信は送らず、店長に回してください(返信案は残す)。
1. 「あとで確認して連絡します」「get back to you」のような、まだしていない確認の約束
2. 推測の言葉(おそらく・はず・probably・should be fine)
3. 付属品・適合・状態の断言で、根拠欄に商品情報や写真の裏付けがないもの
4. 伏せ字の記号([EMAIL_1]など)や、メール・電話・住所らしきものが残っているもの
5. 店が前に金額や約束を出している会話への返信
6. 同じ買い手への自動送信が、24時間で【あなたの店の値(うちは2通)】を超えるもの
7. eBayの送信済みメッセージと照合して、同じ返信をすでに送っているもの

スイッチ: お礼・発送・値下げ・AIの返信(ready)の種類ごとに、自動送信のオン/オフを用意してください。
最初の3日は試運転にしてください。送らずに「送るはずだった返信」と、最終チェックで止まった理由を記録し、種類ごとの件数をまとめて報告してください。

送った返信は、受信文(伏せたあと)・返信文・判定の根拠・送った時刻を記録に残してください。

スイッチは、種類ごとに4つ。
うちはいま、4つともオンです。

運営センターの自動送信の設定。種類ごとのスイッチ

出典: うちの運営センターの自動送信の設定(2026年10月6日。設定の欄だけを切り抜き、買い手の記録は写していません)

始めるときは、試運転から。
送るはずだった返信と、止まった理由を、AIに数えて報告してもらいます。

最終チェックで止まる件数が減ってきたら、オンにしていきます。
お礼から。
次に発送の問い合わせ。
AIの返信は、いちばん最後でいいです。


次の一歩: まずは①だけ

5つを一度にやらなくて大丈夫です。

①メッセージを受け取る
②AIを使わずに仕分ける
③買い手の情報を伏せる
④AIに返信案を作らせる
⑤送る前の最終チェックと、自動送信のスイッチ

今日は①だけ。
メッセージを取得して、件数を見るところまでです。
件数が出たら、②のプロンプトをAIに渡してください。

返信をAIに任せても、店は壊れませんでした。
空いた時間は、出品や仕入れ先さがしに回っています🐹

お客さん対応のこの仕組みは、ツールにする準備をしています。


▼中の人🏠(レンタルスペース23部屋・売上1.5億)のレンスペ実録

▼ブログ(eBay×レンスペ、全記事まとめ)


▼この店のやり方は、ぜんぶ1冊にまとめてあります

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